その公園には公衆電話が一台、ポツリと佇んでいた。その公衆電話にはある噂があった。
『死んだ人から電話が架かってくる』という噂が…。
フリーライターの山崎健一はその真相を確かめようと公園を訪れた。そしてそこで、噂を聞き、亡くなった人の声を求めてやってきた4人の男女と出会うことになる。書くネタを探していた山崎は彼らに取材を申し込み、「その場で記事を書き、みんなの前で発表する」という条件付きでその許可を得る。ひかり、雅代、次郎、平尾の4人は、それぞれの立場でそれぞれの大切な人を失い、未だにその死から開放されていない悲しい人々であった。
そして、話を聞き山崎が書いた記事は、いつまでも後ろ向きに生き続けている彼らに前向きに生きるようになってほしいと願うものだった。しかし、その記事が引き金となり、山崎とひかりとの間で口論がはじまる。
お互いがお互いのことを傷つける口論が続く中、今まで沈黙を続けていた公衆電話が、突然けたたましく鳴り始める…。