お笑い芸人を志している山之口栄は、幼なじみでもあり相方でもある湯浅(通称ニモ)とネタ作りやお笑いライブに明け暮れる日々を送っている。そんなある日、栄の肩に骨肉腫が見つかり、助かるためには片腕を切断しなければならないと宣告される。姉・繁の必死の説得にもかかわらず、かたくなに手術を拒む栄。
「片腕の芸人なんて笑えない」
幼い頃の体験から『人を笑わせる』ことを追い求めてきた栄にとって死にも誓い宣告…。
病院で再会した高校時代の彼女・エムコや周囲の心配をよそに、病気であることから目をそらし、来るべきライブに備える栄。しかしライブ当日、ニモがライブ出演をキャンセルしていたことが発覚する。幼い頃から栄に憧れ、心から慕ってきたニモは、栄の無茶な行動を黙って見ていられなかったのだ。
しかし、栄はそんなニモの気持ちを踏みにじるように彼をなじり、挙句に解散を言い渡してしまう。次第に孤立し、肉体的にも精神的にも衰弱してしまった栄は…。
スーパーポジティブな男が陥った、スーパーネガティブな物語。